カレントテラピー 31-10 サンプル

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Current Therapy 2013 Vol.31 No.10 13食塩摂取量の現状1010れるものの,全般的にはいずれの性・年齢階級別とも食塩摂取密度は減少傾向にあると判断される.ただし,20~30歳代の若年者においては,もともとの食塩摂取密度で低値であることも影響し,特に女性の20歳代と30歳代における2005~2012年の減少傾向は頭打ちとなってきている.その一方で50歳以上の世代では,低下の幅が大きい傾向が認められる.以上のことを総合的に考え合わせると,少なくとも近年においては,単に食事量が減少して,それに伴い食塩の摂取量が減少しただけではなく,同時に食事や加工食品そのものの低塩化も進展したと考えられる.Ⅵ おわりにわが国の食塩摂取状況は,長期的にみると明らかに減少している.しかも,単に摂取エネルギー量が減少したことだけに起因したものではなく,成人男女いずれの年齢階級においても,食塩の摂取密度が低下していることから,料理や加工食品そのものの低塩化や減塩とするためのスキルが徐々に浸透しているものと考えられる.しかし,直近の数年でみるとその減少の程度は小さくなっている.今後さらなる摂取レベルの低下を目指すためには,従来までの取り組みに加え,国民全体への知識・情報・スキルの提供とその徹底,食育,低塩でも美味しい食品の開発,調理技術の向上,食環境全般の改善,関係者間での連携強化などが求められる.また,減塩に取り組むことがごく普通のことであるような意識を国民全体がもつよう,イメージ的な戦略にも取り組むことが求められるであろう.参考文献1)厚生労働省:平成23年国民健康・栄養調査報告.厚生労働省,東京,20132)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2010年版).厚生労働省,東京,20093)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会:健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料.pp91-103,厚生労働省,東京,20124)福田篤郎:秋田県農村高血圧に就て.千葉医誌 29:490-502,19545)労働科学研究所:農民の早老に関する研究(第一報).労働科学研究所,東京,pp336-338,19546)労働科学研究所:農民の早老に関する研究(第三報).労働科学研究所,東京,pp223-226,19567)国民健康・栄養の現状-平成20年厚生労働省国民健康・栄養調査報告より.付録p2,第一出版,東京,2011