カレントテラピー 30-7 サンプル

カレントテラピー 30-7 サンプル page 6/30

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高血糖状態の持続による糖毒性インスリン分泌能低下インスリン抵抗性増大インスリン作用不足2型糖尿病食後高血糖1インスリン抵抗性改善系3食後高血糖改善系ビグアナイド薬チアゾリジン薬インスリン製剤GLP-1受容体作....

高血糖状態の持続による糖毒性インスリン分泌能低下インスリン抵抗性増大インスリン作用不足2型糖尿病食後高血糖1インスリン抵抗性改善系3食後高血糖改善系ビグアナイド薬チアゾリジン薬インスリン製剤GLP-1受容体作動薬DPP-4阻害薬2インスリンスルホニル尿素薬(SU薬)分泌促進系速効型インスリン分泌促進薬α-グルコシダーゼ阻害薬インクレチン関連薬空腹時高血糖1~3は経口薬(OHA)太字は注射薬図12型糖尿病の病態と血糖降下薬指標優良不十分HbA1c(NGSP)(%)6.2未満6.2~6.9未満6.9~7.4未満7.4~8.4未満8.4以上+0.4%HbA1c(JDS)(%)5.8未満5.8~6.5未満6.5~7.0未満7.0~8.0未満8.0以上シフト空腹時血糖値(mg/dL)80~110未満110~130未満130~160未満160以上食後2時間血糖値(mg/dL)80~140未満140~180未満180~220未満220以上可不良不可表1血糖コントロールの指標と評価〔参考文献5)より引用改変〕生命に直結する大血管症のリスクも高める.また,足壊疽に代表される独特の感染症にも注意が必要である.HbA1c(NGSP)6.9%以上〔HbA1c(JDS)6.5%以上〕が続く場合は,自覚症状に乏しくとも漫然と経過をみるのではなく,積極的に治療を行い,必要に応じて糖尿病専門医への紹介を検討すべきと考える(表1)5).良好な血糖管理の維持と糖尿病合併症の発症・進展の阻止により,非糖尿病者と同等の生活の質(QOL)と健康寿命を確保することが,糖尿病における治療の長期的目標である.Ⅱ糖尿病の診断基準2010一般外来診療において,常に耐糖能異常・糖尿病の可能性に留意し,早期診断・早期介入・早期治療に努めることが重要である.より早期からの糖尿病の診断を促すとともに,診断と治療の一体性を高めることを目指して,2010年にわが国で11年ぶりに糖尿病診断基準が改訂された3).そのポイントは,慢性高血糖を反映するHbA1cをより積極的に糖尿病の診断に取り入れ,糖尿病型の判定に新たにHbA1cの基準を設けたことと,血糖値とHbA1cの同日測定を推奨し,双方が糖尿病型であれば1回の検査で糖尿病と診断可能とした点である(図2)3).診断基準の改訂と併せてHbA1cの国際標準化も図られ,2012年4月より臨床の現場においても,海外で使用されているHbA1c(NGSP)への移行が開始された4).HbA1c(NGSP)は,これまでわが国で使用されてきたHbA1c(JDS)と比較して,およそ0.4%高く表記されることがポイントである.糖尿病の新しい診断基準は「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告」として,日本糖尿病学会のホームページから閲覧・ダウンロード可能である(http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/635.pdf)3).また,HbA1cの国際標準化に関する詳細も,「日常臨床及び特定健診・保健指導におけるHbA1c国際標準化の基本方針及びHbA1c表記の運用指針」として同様に,日本糖尿病学会のホームページから閲覧・ダウンロード可能であるCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.75999