カレントテラピー 30-7 サンプル

カレントテラピー 30-7 サンプル page 13/30

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経口薬とGLP-1受容体作動薬の作用機序と治療のエビデンス薬剤プロベネシドワルファリン消炎鎮痛薬サリチル酸薬ピラゾロン系剤プロピオン系剤アリール酢酸系剤オキシカム系薬剤β遮断薬MAO阻害薬サルファ薬クロラムフ....

経口薬とGLP-1受容体作動薬の作用機序と治療のエビデンス薬剤プロベネシドワルファリン消炎鎮痛薬サリチル酸薬ピラゾロン系剤プロピオン系剤アリール酢酸系剤オキシカム系薬剤β遮断薬MAO阻害薬サルファ薬クロラムフェニコールテトラサイクリンフィブラート系薬剤グアネチジンアゾール系抗真菌薬腎よりの排泄抑制肝での代謝抑制血中タンパクとの結合抑制機序ピラゾロン系剤は腎排泄,肝代謝にも影響低血糖による交感神経症状を抑制内因性エピネフリンにより低血糖からの回復を抑制インスリン分泌促進糖新生抑制血中タンパクとの結合抑制腎よりの排泄抑制肝での代謝抑制肝での代謝抑制インスリン感受性亢進血中タンパクとの結合抑制腎よりの排泄抑制肝での代謝抑制機序不明肝での代謝抑制血中タンパクとの結合抑制表2インスリン分泌刺激薬の低血糖を助長する可能性のある薬剤〔参考文献23)より引用改変〕ストレスや,高血糖によって膵β細胞に誘導されたインターロイキン(IL)-1βが膵β細胞を障害すると報告されている16).一方,抗酸化作用,抗サイトカイン作用のあるグリクラジドは2次無効を起こしにくいことが,後ろ向き解析によって示唆された17).SU薬を増量する場合,最大量まで増やすのは好ましくない.SU薬の血糖低下作用は最大量の1/2程度でほぼプラトーになるのに対し,重症低血糖のリスクは投与量が多いほど上昇し,遷延性低血糖をきたしやすくなる.米国糖尿病学会と欧州糖尿病学会のコンセンサス・ステートメントにおいて,SU薬は最大量の1/2以下で使用することが推奨されている18).Ⅳインスリン分泌刺激薬の禁忌β細胞に作用しインスリン分泌を促すというその作用機序から考えると,β細胞が消失した1型糖尿病(緩徐進行1型糖尿病を含む)には適応とならない.同様の観点から膵全摘患者も適応とならない.経口糖尿病薬は,一般に糖尿病昏睡やケトアシドーシスなどの急性代謝障害のある患者へ投与しても効果は期待できないため,投与してはならない.また,胎児や乳児への安全性が保証されていないため,妊娠・授乳中には通常経口糖尿病薬は投与しない.その他,重症感染症,重篤な外傷,外科手術,重篤な肝・腎障害,ステロイド糖尿病,サルファ薬・SU薬のアレルギーがある場合も投与を控えるべきである.Ⅴインスリン分泌刺激薬の副作用インスリン分泌刺激薬の副作用として最も注意が必要なものは低血糖である.特に作用力価の高いもの,作用時間の長いもので発生頻度が高い.抗糖尿病薬以外の薬剤との併用においても,相互作用により低血糖の頻度,強度を増加させる場合がある(表2).高齢者は無自覚低血糖のリスクが高いため,作用持続時間の短いものを勧める.肝・腎機能障害が進行した患者でも低血糖の危険性が増大する.またSU薬による低血糖で問題になるのは,インクレチン作用を増強するDPP -4阻害薬や,GLP -1受容Current Therapy 2012 Vol.30 No.762737