カレントテラピー 30-7 サンプル

カレントテラピー 30-7 サンプル page 11/30

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SU薬,グリニド薬選択的結合SUR1(膵タイプSU受容体)ATP感受性K +チャネルCa 2+電位依存性Ca 2+チャネル細胞膜脱分極K+細胞内Ca2+の増加[ATP]/[ADP]の増加ブドウ糖糖輸送担体(GLUT2)糖代謝(解糖系)イン....

SU薬,グリニド薬選択的結合SUR1(膵タイプSU受容体)ATP感受性K +チャネルCa 2+電位依存性Ca 2+チャネル細胞膜脱分極K+細胞内Ca2+の増加[ATP]/[ADP]の増加ブドウ糖糖輸送担体(GLUT2)糖代謝(解糖系)インスリン分泌インスリン分泌顆粒図スルホニル尿素薬およびグリニド薬(フェニルアラニン誘導体薬)の作用機序る.効果が期待できる症例としては,1糖尿病の診断を受けたばかり,2空腹時Cペプチド値が保たれている,3インスリン治療歴がない,などである5).通常1日に1~2回,食前または食後に投与するが,一部の薬剤では食前30分の服用がより効果的であると報告されている.少量より開始し,効果を判定しながら用量の増減を随時行う.3 SU薬の各薬剤の特徴SU薬として主にわが国で使用されているものは6種類ある(表1).それぞれに作用力価などの違いがあるが,グリベンクラミドが最も強力である.グリベンクラミドとグリメピリドには,SU骨格以外にベンズアミド骨格あるいは類似構造があり,膵β細胞タイプのSU受容体と強固に結合し,SUR 2とも結合する.またトルブタミドとグリクラジドは,SUR 1にのみ結合する6).一方,SU薬の使用により,心筋虚血時のプレコンディショニングが消失し,心筋梗塞巣が大きくなることを危惧する意見がある.一部のSU薬では,プレコンディショニングへの影響が小さい可能性が指摘されている7).グリベンクラミドは作用持続時間が長いため,低血糖が長時間持続しやすく,特に,高齢者や腎機能低下例において注意が必要である.グリメピリドは長時間作用が持続するにもかかわらず,グリベンクラミドほど強い低血糖症が生じる頻度は少ないことが指摘されている.SU薬の膵外作用として,グリメピリドのイ8ンスリン抵抗性改善作用)やグリクラジドの抗酸化9作用)10,血小板凝集抑制作用)が報告されている.Ⅱ速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)1グリニド薬の作用機序グリニド薬としてわが国で発売されているものには,ナテグリニドやミチグリニド,レパグリニドがある(表1).いずれもSU骨格をもたないが,その内部にSU骨格あるいはベンズアミド骨格と類似した立体構造をとる部位が存在し,SUR 1に結合することによりインスリン分泌を刺激する.またSUR 1にはベンズアミド骨格結合部位とSU骨格結合部位があり,レパグリニドはベンズアミド骨格結合部位に,ナテグリニドとミチグリニドはSU骨格結合部位にそれぞれ結合する11).SUR 1ノックアウトβ細胞においてSU薬のインスリン分泌促進作用は消失するが,グリニド薬の作用は完全に消失しないことから,SU受容体を介さCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.762535