カレントテラピー 30-4サンプル

カレントテラピー 30-4サンプル page 10/28

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アルツハイマー病の病態と根本治療発症前段階のアルツハイマー病(preclinical AD):研究基準1.定義アルツハイマー病の病態を示唆するバイオマーカー陽性であるが,認知機能は正常あるいはMCIの診断基準を満たさな....

アルツハイマー病の病態と根本治療発症前段階のアルツハイマー病(preclinical AD):研究基準1.定義アルツハイマー病の病態を示唆するバイオマーカー陽性であるが,認知機能は正常あるいはMCIの診断基準を満たさないごく軽微な認知機能障害のみを認める.2-1.Stage 1:無症候性のAβ沈着を認める段階髄液Aβ42低値であるあるいはamyloid PET陽性である2 -2.Stage 2:Aβ沈着と神経変性を認める段階Stage 1の基準を満たし,かつ下記の項目のうちひとつ以上を認める.FDG -PETやfMRIで神経機能不全を認めるあるいは髄液タウやリン酸化タウ高値であるあるいは構造的MRIにて皮質の萎縮や海馬の萎縮を認める2-3.Stage 3:Aβ沈着と神経変性と軽微な認知機能低下を認める段階Stage 2の基準を満たし,かつ下記の項目のひとつ以上を認める.なおMCIの診断基準を満たさない.元のレベルからの軽微な認知機能の低下を認めるあるいはより難易度の高い認知機能テストにおける成績の低下を認める表3NIA-AAによる発症前段階のアルツハイマー病(preclinical AD)の研究基準(提言)バイオマーカー異常Aβ蓄積(髄液Aβ42,amyloid PET)シナプス機能不全(FDG-PET,fMRI)タウによる神経変性(髄液タウ)脳構造(volumetric MRI)認知機能日常生活機能正常preclinical AD MCI due to AD AD dementiaStage 1 Stage 2 Stage 3clinical stage図アルツハイマー病の進行度を反映する動的バイオマーカーの仮説的モデル〔参考文献9)より引用改変〕人から,MCIの診断基準に当てはまらないごく軽微な認知機能低下を認める人までを指す(表3-1).このなかには,バイオマーカー陽性かつAPOEε4保因者やPSEN1,PSEN2,APP変異保因者も含まれる.ADの病理カスケードを反映するバイオマーカーが変化する順序は,大規模縦断研究のADNIなどにより,十分ではないものの明らかになってきた.現在想定されているモデルを図に示す.Aβの蓄積はAD dementiaの10年も前から始まっている最初の変化であり,正常高齢者の剖検脳の解析で20?40%の症例において陽性になることがわかってきた.次いでAβ蓄積によるシナプス機能不全が出現する.シナプス機能不全のバイオマーカーは,特にAPOECurrent Therapy 2012 Vol.30 No.429713