カレントテラピー 30-10 サンプル

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表1若年成人(16歳以上60~65歳未満)AMLに対する寛解導入療法薬剤用法・用量コメントAra-C+DNRAra-C:100~200mg/m 2 /日7d-civ, DNR:60?90mg/m 2 /日CR率60?80%3d-div or DNR:50mg/m 2 /日5d-divAra -C+IDRAr....

表1若年成人(16歳以上60~65歳未満)AMLに対する寛解導入療法薬剤用法・用量コメントAra-C+DNRAra-C:100~200mg/m 2 /日7d-civ, DNR:60?90mg/m 2 /日CR率60?80%3d-div or DNR:50mg/m 2 /日5d-divAra -C+IDRAra-C:100~200mg/m 2 /日7d-civ, IDR:12?13mg/m 2 /日3d-divCR率70?80%.Ara-C+DNRより初発時白血球数の多い患者では高い有効性,しかしOSは同等.Ara-C+DNRに比べて敗血症発症率が高い.HDAC+DNRAra-C:1?3g/m 2 x2/日q12hx6d-3h-div, DNR:45mg/m 2 /日3d-divCR率90%だが,高い毒性でOSは改善せず.DNR+Ara -C+GOAra-C:200mg/m 2 /日7d-civ, DNR:60mg/m 2 /日1, 2, 3-div,GO:3mg/m 2 /日Days 1, 4, 7-div50?70歳のAMLを対象.CR率80%,2年-EFS41.9%,2年-RFS 50.3%,2年-OS 53.2%.Ara -C:シタラビン,DNR:ダウノルビシン,7d -civ:7日間24時間持続点滴,div:点滴,q12h -6d -3h -div:12時間ごとに6日間でそれぞれ3時間点滴,IDR:イダルビシン,HDAC:高用量Ara -C,GO:ゲムツズマブ・オゾガマイシン,CR:完全寛解,OS:全生存率,EFS:無イベント生存率,RFS:無再発生存率表2 AMLの効果判定基準(International Working Groupの提唱に基づく基準)効果好中球絶対数血小板数骨髄中の芽球割合その他(/μL)(/μL)(%)完全寛解(Complete remission:CR)形態学的(Morphologic CR:CR)>1,000>100,000<5輸血なし, EMD(-)細胞遺伝学的(Cytogenetic CR:CRc)>1,000>100,000<5染色体正常核型, EMD(-)分子遺伝学的(Molecular CR:CRm)>1,000>100,000<5分子学的異常検出されず, EMD(-)血小板の回復不十分なCR(CRp)>1,000<100,000<5輸血なし, EMD(-)Partial remission(PR)>1,000>100,0005?25芽球<5%だがAuer小体(+)EMD:extramedullary disease:髄外病変子遺伝学的異常を有するAMLでは,CRに加えて分子遺伝学的異常の消失となる分子遺伝学的CR(molecular CR:CRm)が規定されている.IND療法では,まずはCRおよびCRcの到達を目標とする.6治療に及ぼす因子IND療法は,白血病細胞のみならず骨髄に残存する正常細胞への抑制効果も現れる強力な化学療法であるため,心・肺・肝・腎機能が十分に保たれていること,制御不能の感染症の合併がないことを確認して治療を開始することが重要である.患者の年齢(>60歳),全身状態が不良(performance status≧3),合併症を有することは,患者側の予後不良因子となる11).AMLの治療への反応性には,分子遺伝学的異常,細胞遺伝学的異常・染色体異常,発症様式(denovoか二次性か),診断時の白血球数などが関与し,白血病細胞側の予後因子となる.しかし,重要な予後因子は分子・細胞遺伝学的因子であり(Bloomfield),従来の染色体異常のみならず,最近は遺伝子変異についても予後予測が可能となり,予後層別化システムがEuropean LeukemiaNet(ELN)より提唱されている(表3)12).2寛解後療法(PRM療法)IND療法で10 9個以下に減じた白血病細胞をさらに減少させて,微小残存病変(MRD)を完全除去するために,寛解後(postremmision:PRM)療法が施行される.AMLのPRM療法は,化学療法の地固め(consolidation:CON)療法,1~2コースのCON療法に続く自家造血細胞移植(autologoushematopoietic cell transplantation:Auto -HCT)療法,あるいは,同種造血細胞移植(allogeneicHCT:Allo -HCT)療法の3つの治療法がある.これらの治療は,CON療法への反応性と再発リスクの程度,治療関連毒性や死亡(treatment -relatedmortality:TRM)の可能性,再発時の有効な救援療法の有無などを考慮して選択される.CRに到達したAMLにおける再発のリスクは,白血病細胞の化学療法への感受性,すなわち,白血病細胞の細胞・分子遺伝学的要素に大きく依存する.IND療法で示した予後良好(favorable:FAV)群,予後中間群(intermediate:INT)群(これには26Current Therapy 2012 Vol.30 No.101012