カレントテラピー 30-10 サンプル

カレントテラピー 30-10 サンプル page 17/42

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(anthracycline:ANT)の併用療法が繁用される.1標準量Ara-C+ANT療法100?200mg/m 2の標準量Ara -Cの7日間持続点滴(7d -civ)とANTの3日間の短期点滴療法(7+3療法)が一般的に用いられ,ANTとしては,ダウノル....

(anthracycline:ANT)の併用療法が繁用される.1標準量Ara-C+ANT療法100?200mg/m 2の標準量Ara -Cの7日間持続点滴(7d -civ)とANTの3日間の短期点滴療法(7+3療法)が一般的に用いられ,ANTとしては,ダウノルビシン(daunorubicin:DNR)やイダルビシン(idarubicin:IDR)が選択される.最も多用されるANTは,DNRであるが,従来の45?50mg/m 2の3d - divは,IDR 12?13mg/m 2の3d -divに比べて完全寛解(complete remission:CR)率は有意に劣る1).生物学的にIDRと同等とされるDNR 50mg/m 2 -5d-divとIDR 12mg/m 2 -3d-divの無作為化比較試験(いずれもAra -C 100mg/m 27d -civの併用療法)では2),DNR群(n=407人)のCRは77.5%で,IDR群(n=416人)のCR 78.2%と同等で,5年-無再発生存率(relapse free survival:RFS)および全生存率(overall survival:OS)は,両群とも41%と48%であった.ただし,IDR群におけるIND中の敗血症の発症率9%と60日以内の死亡率5%は,DNR群の5%および2%に比して有意に高かった.従来のDNR用量45mg/m 2 -3d -div(45-DNR群)と2倍の90mg/m 2 -3d -div(90-DNR群)の無作為化比較試験(いずれもAra -C 100mg/m 2 7d -civとの併用療法)では3),CR率および生存期間中央値(median survival time:MST)は,90 -DNR群で70.6%と12.7カ月で,45-DNR群の57.3%と15.7カ月を有意に上回った.そのほか,標準量Ara -Cと併用するDNR45mg/m 2 -3d -divのCR率は60mg/m 2 -3d -divに比べて低いことが示されている.2高用量Ara-Cを含むIND療法Ara -Cの用量を,1g/m 2 ?3g/m 2の3時間点滴-12時間ごとx2回/日を8?12回(days 4~6)とした高用量Ara - C(HDAC)をANT(DNR - 45mg/m 2 -3d -div)と併用するIND療法も試みられ4)~6),45歳未満の若年者AMLでは,標準量Ara -Cより有用であるとする報告もある.しかし,HDAC(n=429人)と標準量Ara -C(n=431人)にそれぞれIDRを併用した無作為化比較試験では7),CR率はどちらも8割(82%vs. 80%),5年-OSは4割(42%vs. 40%),30日の早期死亡率10%で有意差がなく,HDAC療法をINDで加えることの優位性は否定的である.3抗CD33モノクローナル抗体製剤を含む併用療法ゲムツズマブ・オゾガマイシン(gemtuzumabozogamicin:GO)はAML細胞に表出されるCD33抗原を標識する遺伝子組み換えヒト化抗CD33モノクローナル抗体に,抗がん剤であるカリケアマイシン(calicheamicin)を結合させた分子標的薬剤である.再発・治療抵抗性AMLの治療薬として開発され,初回治療での有効性を欧米のグループが報告している8),9).フランスから報告されたALFA -0701試験では,50?70歳の成人AMLの初回治療として,DNR(60mg/m 2 days 1~3)+Ara -C(200mg/m 27d -civ)の3+7療法に,GO(3mg/m 2 days 1, 4, 7)を併用する治療法(GO併用群)が3+7療法(コントロール群)と比較された9).CR/CRp割合は,コントロール群75%に対してGO群81%と有意差はなかったが,2年時点の無イベント生存(event -freesurvival:EFS)割合は,コントロール群17.1%に対してGO併用群は41.9%(p=0.003),RFS割合は22.7%vs. 50.3%(p=0.0003),OS割合は41.9%と53.2%(p=0.0368)といずれも有意差をもってGO併用群が良好な成績であった.GO併用IND療法は,Ara -C+ANT療法に替わる治療法となる可能性があり,さらに多くの臨床研究で確認される必要がある.4標準的なIND療法上述のIND療法の成績(表1)を考慮すると,若年成人AMLの標準的なIND療法は,Ara -C(100?200mg/m 2 7d -civ)とDNR 50mg/m 2 -5d -divあるいは60?90mg/m 2 -3d -divの併用療法が推奨され,IDR 12mg/m 2 -3d -divもオプションとして選択し得る.5治療効果の判定治療効果は,International Working Groupの効10果判定基準)に準じて判定される(表2).骨髄中の白血病細胞(芽球/blast)が5%未満で造血の回復する形態学的なCR,染色体異常を有するAMLでは,CRに加えて染色体が正常核型となる細胞遺伝学的完全寛解(cytogenetic CR:CRc),診断時分Current Therapy 2012 Vol.30 No.10101125